ここで起きたこと
ロンドン塔で死刑を宣告された人の大半は、城壁の外のタワー・ヒルで群衆の前で処刑されました。城内のタワー・グリーンで非公開の斬首を許されたのはごく一部で、ヘンリー8世の二人の王妃――1536年のアン・ブーリンと1542年のキャサリン・ハワード――、そして1554年のジェーン・グレイがそのなかに含まれます。彼女たちはセント・ピーター・アド・ヴィンキュラ礼拝堂に葬られています。
1483年、幼い国王エドワード5世と弟リチャードは、叔父によってロンドン塔に移されました。叔父はリチャード3世として王位に就き、少年たちは二度と姿を見せませんでした。1674年、ホワイト・タワー近くの階段の下から作業員が二人の子どもの骨を見つけ、骨はウェストミンスター寺院に改葬されました。
伝説
アン・ブーリンはロンドン塔で最も有名な幽霊で、自らが葬られた礼拝堂のそばを歩くといわれます。自分の首を抱えているという話もあります。衛兵たちは夜の礼拝堂に人影の行列を見たと語り、ソールズベリー伯爵夫人マーガレット・ポールの亡霊は、1541年のむごい処刑を繰り返し再現するのだそうです。
最も古い話は1240年代にさかのぼります。ヘンリー3世が新しく建てた門が二度も崩れたとき、ある司祭が、トマス・ベケットの亡霊が十字架で壁を打ちすえるのを見たと証言しました。ヘンリーはその怒りを鎮めるため、新しい塔の中にベケットにささげる小さな礼拝堂を設けたといいます。
事実か、伝説か
処刑も王子たちの失踪も歴史上の事実ですが、少年たちを殺したのが誰なのかは今も議論が続いています。幽霊話を語り継いでいるのは、城壁の中に住み、ツアーで物語を語るヨーマン・ウォーダー、いわゆるビーフィーターたちです。
訪れるには
ロンドン塔は毎日開館しています。ヨーマン・ウォーダーのツアーは入場料に含まれ、王冠の宝石やホワイト・タワーも見学できます。夏は事前予約がおすすめです。